明治の廃仏毀釈以降、鎌倉彫はお盆や茶托など広く愛される工芸品として新たな活路を見いだし、気品と風格はそのままに現在のように発展を遂げました。桂の木地に彫刻刀で文様を刻み、生漆・炭粉・砥の粉を蒔き付け下地を作る。更に黒漆朱漆を塗っては研ぐ作業を繰り返し、仕上げにイネ科のマコモ粉で古色を付け磨き上げる。複雑な伝統の技を受け継ぎつつ、現代に生きる鎌倉彫を目指す匠の心がどの作品にも凝縮されています。
鎌倉は建長寺・円覚寺など格式高い鎌倉五山を有す禅宗とゆかりの深い地。鎌倉彫の歴史は約八百年。鎌倉時代中期にその禅宗とともに宋から伝わり、仏師たちが寺院の調度品を手がけたのが始まりです。室町時代に入ると茶の湯の興隆とともに茶道具として珍重され、公家の日記に「鎌倉物」として記されるように。やがて彫彩漆の品は鎌倉彫と称され、江戸時代においても雅味ある茶道具として好まれてきました。
明治の廃仏毀釈以降、鎌倉彫はお盆や茶托など広く愛される工芸品として新たな活路を見いだし、気品と風格はそのままに現在のように発展を遂げました。桂の木地に彫刻刀で文様を刻み、生漆・炭粉・砥の粉を蒔き付け下地を作る。更に黒漆朱漆を塗っては研ぐ作業を繰り返し、仕上げにイネ科のマコモ粉で古色を付け磨き上げる。複雑な伝統の技を受け継ぎつつ、現代に生きる鎌倉彫を目指す匠の心がどの作品にも凝縮されています。
鎌倉は建長寺・円覚寺など格式高い鎌倉五山を有す禅宗とゆかりの深い地。鎌倉彫の歴史は約八百年。鎌倉時代中期にその禅宗とともに宋から伝わり、仏師たちが寺院の調度品を手がけたのが始まりです。室町時代に入ると茶の湯の興隆とともに茶道具として珍重され、公家の日記に「鎌倉物」として記されるように。やがて彫彩漆の品は鎌倉彫と称され、江戸時代においても雅味ある茶道具として好まれてきました。