本日は鎌倉彫の丸盆の修理についてお話し致します。
お客様より丸盆の修理についてお問合せを頂きました。
お客様:「大切にしていた鎌倉彫のお盆を落として割ってしまった」
この様なお問合せをメールで頂き、下記の写真まで送って頂きました。
落とした際に角が欠けてしまったご様子でした。今回は欠けた部分の修復と塗り直しのご依頼を受けました。幸いの事に欠けたパーツも全て揃っておりましたので元の状態に修復が可能です。
先ずは欠けた部分の修復です。欠けたパーツを元の状態に合わせ、木工用ボンドで仮止めします。2日間乾燥させた状態から、継ぎ目に彫刻刀で溝を彫ります。裏も表も溝が彫れたら、その部分にコクソ漆を埋め、傷口の修復をします。そのまま4~5日ほど乾燥させる。(コクソ漆は生漆(きうるし)とのりを等量に混ぜ、木粉とコクソを混ぜ練り合わせたパテ状のもの)このコクソ漆は重箱などの継ぎ目やお椀などの下地に使用します。乾くと強度が増し、下地の他、古来から漆器製品の接着剤として使用されてきました。
継ぎ目にコクソ漆でかいこみした部分も、乾燥すると漆が痩せ(やせ)てくるので、この工程を2~3度繰り返します。完全に乾いた状態で下地と継ぎ目が一体になる様にペーパーで滑らかにします。ここまでが欠けたパーツの修復作業です。
写真の様に修復部分が直っています。継ぎ目も全く分かりません。
こちらが完成した写真です。
新品同様の仕上がりにお客様も喜んで頂きました。
鎌倉彫陽雅堂では鎌倉彫の塗り直しや修理なども承ります。塗り直し、修理費は製品の状態やお客様のご要望やお直しする方法によって異なります。
事前にお見積り致します。ご相談ください。
鎌倉彫丸盆の塗り直しとは
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